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   客観的判断と主観的判断

            客観的判断と主観的判断を一致させる事は難しい。

       何を言いたいのかと言うと、通常我々が臨床で患者の状態を診断する時には、

       検査上の数値や身体や口腔内に現れる所見によって判断する。

        それを根拠にして患者に病状を伝え、それらに対する処置や対策を伝える。

       あれこれと数値や臨床所見を患者に説明し、それからどういう方法を取るかを説明する

       わけである。

       ところが患者自身は、あれこれ数値や所見を並べられても全く意味がわからない。

       せいぜい、「そう言われれば、そうなのかな?」という程度しか理解出来ない。

       彼らは自分自身の主観でしか判断できないからだ。

         判るのは痛みの程度や、熱や腫れ具合といった事柄である。

        当然、何故そうなったかーー等ということは想像もつかないかもしれない。

       これは自分が、他人からどのように見られているかが自分では判らないのと同様で

       ある。

         患者さんと話していて、いつも悩むのはその事なのだ。

       例えば 「あなたの歯周ポケットは、5ミリありますから中程度の歯周病ですよ!」

        と言われても

        まず、「歯周ポケットって何だ?」から始まり、「5ミリあったら、どうしてダメなんだ?」

         とか「中程度って、どの程度悪いんだ?」--と延々と疑問だらけになってしまう。

         自分の病状について理解するなんて、とてもおぼつか無い。

            患者さんの主観に訴えるにはどうしたらいいのか名案がない。

          開業して以来、ずうっとその事で悩んできた。

          いろいろな講習会にも出てみたが、ヒントにはなっても絶対の解決策は

          見つからない。

           自分自身を客観的に評価するなんて、自分では出来ないか?

          それが出来たら、人間 間違いなんかするわけがないものなあ!

      
by tramasato | 2009-11-05 14:43


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