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退院

  結局、大した痛みも無く2日目を迎えた。ベッドのマットが固くて

   腰が痛み、傷の痛みより腰の痛みの方が気になったくらいであ

  る。痛みが少なかったのも、ドクターの腕が良かったからであろ

   う。何人かの看護師さんが交代で看護してくれたが、皆とても

  親切だった。夜勤の看護師さんは深夜に何度か来て体温を測っ

   たり、モニターをチェックしたり、私の容体を確認したりして

  いたが、大変な仕事である。

   高給とは言っても、常に看護師が不足しているという現実も

  判る様な気がする。

   2日目は何もする事がないので、CDを聴いたり、本を読んだ

  りしていた。午前中に近くで喫茶店を経営する友人が見舞いに

   来てくれた。写真を撮るというので、ベッドに座ったまま

  撮ってもらう。左腕には点滴がつながれた儘なので、様になら

   ない。「入院しているんだから、当たり前じゃないか!」と

  彼は言うが、撮れたら結構な重病に見えるだろう。

   昨日も妻が川崎の長女に、私の手術後の無事な姿を携帯で

  送ろうとして、傍に居た次女に反対されて止めてしまったが

体に何本も管を繋がれた状態の写真を送っても、元気そう

  には見えない。格好のいい物でもない。

   本人の気持ちを思って次女は反対したのだろう。

  友人が言った様に、入院なんてしょっちゅうある訳ではない
 
   ので記念に一枚という風にも考えられるがーー。

  ともかく、ブログに載せるという事で撮ってもらった。

   結局友人は、午後と夜の3回も見舞に来てくれた。

  職場が近いとはいえ、有難い話である。

   退屈ではーーと心配だった入院生活もこの友人や看護師

  さんのお陰で結構楽しめた。

   なにより最近いつも感じている、首の筋肉の痛みや張り

  も軽くなり、体調も良くなって来た。

   首の筋肉の痛みは、たぶん診療で姿勢が悪くなっている

  のではないか?職業病といえるのかもしれない。

   気持のリフレッシュの為にも、たまには環境を変える

  のも必要だな!--と思った。

   
 
  

   
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by tramasato | 2011-08-18 11:23

術後 その2

  痛くないと言えば嘘になるが、痛み止めを強いて飲む程でも

   ない。横になっていると「ああ、少し痛んでいるかな?」

  と感じるぐらいだ。看護師さんは気を使って「先生、痛む様

   なら、すぐ言って下さい。」と何度も言ってくれている。

  試しに「痛み止めは錠剤ですか?」と聞くと、座薬と点滴に

   混入するタイプがあるそうだ。

  手術台で、お尻を丸出しにして恥ずかしい思いをしたのに、

   またまたお尻を出して座薬を入れてもらうのも、あまり気

  が進まない。それに一旦入れたはいいが、もし座薬が出てき

   たら、また入れ直すのか?--などと考えて決心がつかな

  いので、しばらく様子を見る事にした。

   脈拍、血圧は30分置きぐらいに自動的にモニターされ

  体温もその都度測っている。

   9時過ぎぐらいに体温が36.8度になった。

  私は普通、体温が35度台なので通常よりかなり高い。

   手術室は上体が少し寒かったので「風邪でもひいたか?」

  と思ったが、そうではなかった。

   腰から下の下半身全体が熱くなっていて、吐く息も熱く

  感じる。

   これは、外科手術による身体への侵襲に対する反応で

  ある。切開、縫合、あるいは埋め込まれたパッチに等に

   対する身体の防御反応の結果が、発熱として出ているの

  だろう。こういう生体の反応を、自分の体で経験できるのも

   手術を受けたからこそである。

  日夜、患者さんのオペを繰り返している私にとっては、私の

   手術を受けてくれている患者さんの気持ちをより身近な物

  に感じる絶好の機会でもある。

   もっと痛いのかと思ったが、そうでもない。

  体温が37.8度になったので、アイスノンを額と脇腹に当てる

   ことにした。

  体温は翌日の午前になって、ようやく35度台に戻った。

   

   
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by tramasato | 2011-08-17 22:29

 術後

  手術を無事終了し、病室に戻る。麻酔はまだ充分に効いてい

   る。左足と右足は同じ高さにある筈なのだが、左足の方が

  曲がって右足より一段高くなっている様な感じがしている。

   左半分に主に麻酔を効かせる様にしたせいだろう。

  腰のあたりから徐々に麻酔が切れてきて少しずつ痛みが出て

   きたが、それほど気にならない。6時ごろに夕食を摂る。

  起き上がろうとすると、やはり少し痛いが起き上がれない程

   ではない。8時過ぎに右足の麻酔がきれて感覚が戻ったが

  左足と真中は全く感覚が無い。9時半ぐらいから左足の感覚

   が戻って来た。ところが真ん中の足の感覚が全く無いのだ

  。手で触ってみてもどう表現していいのか判らないが、

   いつもとは全く別の物のように感じる。

  男性自身を表現するのに、よく「萎びた大根」という言葉

   が使われるが、私の今のそれは「腐って、萎びた大根」

  という三拍子揃った状態だ。

   傍らに付いている看護師さんは、盛んに「先生、痛くない

  ですか?痛かったらすぐ痛み止めを用意しますから、言って

   下さい。」と言ってくれるのだが、私は真ん中の方が気に

  なって仕方がない。「このまま二度と使えなくなったらどう

   しようか?」という不安の方が、痛みの不安より遙かに

  大きい。

   思い切って彼女に「左足と右足の感覚は戻ったんですが、

  真ん中の感覚がまだ無いんですけど、大丈夫ですか?」と

   聞いた。すると彼女はにっこり笑って、「ええ、お尻の方

  とか、真ん中の部分は一番最後に感覚が戻るんですよ!」

   と答えた。要するに彼女はこういう質問に慣れているのだ。

  鼠径ヘルニアの手術をした男性患者は、みな一様に

   不安になって、この類の質問をするらしい。

  事実、感覚は徐々に戻ってようやく小用を足せる様に

   なった。

   
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by tramasato | 2011-08-16 09:19

 術中 その2

  切開しても痛みは全く無い。腹膜を拡げて行きながらヘルニアの

   部位を確認。担当医が「ここですね!」と言って、手術に立ち

  合っている、もう一人のドクターに確認している。

   私の両手は左右に拡げられ、右腕は血圧や心拍数を測定する

  モニターに繋がっている。

   枕もとには女性スタッフが付いていて、私の顔色などを観察し

  ながら、時々「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれる。

   麻酔が効きすぎて呼吸抑制などの副作用が起こる事もあるら

  しいので、常に注意深く観察しているのである。

   私の方は普段と変わらず、不安感も全く無い。

  天井の無影灯がやけに大きく見える。直径1mぐらいあるだろう

   か?

  心地よいBGMが流れて手術台に寝かされているので、手術途

   中であるにも係わらず眠くなって来た。途中何度か眠ってい

  たらしい。気がついて女性スタッフに「眠っていましたか?」

   と聞くと笑っていた。

  私の診療所では治療中に、患者がよく眠っている事がある。

   助手といつも「何故、患者さんが眠っちゃうんだろうね?」と

  話していたのだが、これで納得がいった。

   恐怖心が無く、心地よいBGMと水平位の診療体制があれば

  誰でも眠ってしまうものなのだ。

   それと、とても腹が減っていた。2回も食事を摂っていなけれ

  ば当たり前である。だが術中なので「先生、腹がへりました!」

   とも言えない。

  言えば笑って、先生の手元が狂うかもしれない。

   患者として、それだけは避けたい。

  という訳で、手術の不安感よりも眠気と空腹感の方を感じたオペ

   であった。

  眠気と空腹感の中、手術は1時間ほどで、無事終了した。

  

   
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by tramasato | 2011-08-15 20:21

 術中

  術前に点滴を受けてから、午後1時過ぎに手術室に入室。

   1時30分に麻酔開始。背中を丸める姿勢を取り、お尻を丸出し

  する。女性スタッフが3人程いる中で「お尻を丸出しにするのは

   恥かしい!」とは思いながらも、手術中にそんな事も言え

  ないので、その姿勢を取り局痲をする。局痲はあまり痛くない。

   背中の皮膚は歯肉に比べたら感覚が鈍いだろうから、当たり

  前かもしれない。局痲の後 腰椎麻酔開始。刺入の瞬間に足に

   ピリッと痺れを感じたが、すぐに感じなくなった。

  実は術前にー一番痛みを感じるのではーと不安に思っていたの

   はこの瞬間だった。腰椎麻酔の経験が無いのでその痛みも想

  象するしかなかったのだが、ほとんど痛まなかった。

   左足の方から麻酔が効き出し、少しずつ右へと効いて行く。

  ドクター(担当医の中学の同級生)が上体の方から麻酔の効き

   具合を確かめて行く。その間に下半身に布が掛けられ、上半

  身と下半身の間にはフレームの付いた布が設置され患者の

   恐怖心を煽らない様にしている。

  私は、本当はどんな風にオペが行われるのか見たかったのだが

   メガネを外しているので、それは叶わない。

  術部の麻酔の効き具合を最終的に確認してから、術野を消毒し

   切開開始。

  電気メスを使って切開する。電気メスは私も歯科で使っている

   が、特有のタンパク質が焼ける匂いがしない。

  換気が良いからだろうか?確かにエアコンの換気も良く、

   静かなヒーリング系の音楽が流れている。

  「演歌やジャズじゃ、やっぱりマズイかな?」と思いながら

   聴いていた。
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by tramasato | 2011-08-15 19:22

 初めての入院

   ヘルニアの手術が8月12日午後と決定し、いよいよ入院する

  事になった。生まれて初めての入院である。今まで骨折した事も

   盲腸になった事も無い。小学校時代、入院と言えば骨折か盲

  腸だった。同級生が何人かその病名で入院したが、私は風邪で

   せいぜい2~3日学校を休むくらいしか経験しなかった。

  だから「1度は入院してみたい。」という気持ちもあったし、

   逆に「入院したら死ぬほど退屈だろうから、どうやって一日、

  一日を過ごしたらいいんだろうか?」などと真剣に考えたりも

   した。退屈対策として単行本を3冊とCDラジカセとCD数枚

  、ブログを書く為の大型メモ用紙10枚ほどを用意して、病院

   へと向かった。入院期間は3~4日くらいで、もちろん

  着替え、洗面用具なども用意した。

   病院は中学校の同級生が院長をしていて、外科を主な診療科

  とする規模の大きい病院である。

   中学校時代には、まさか同級生の彼に将来ヘルニアの手術を

  してもらう様になるとは思ってもいなかったが、逆に同級生に

   そういう友人がいた事がかえって良かったのかもしれない。

  入院1週間前に血液検査を済ませておいた。幸いヘモグロビン

   の値も正常値の範囲で、他に特に問題の数値も無かった。

  最近の血液検査は、良い状態が続いている。

   手術の前日は午後9時以降、飲食をしてはいけないという

  事で、水分も食物も一切摂らなかった。食物は普段9時以降

   は摂らない様にしているので、それほど苦にはならなかった

  が、水を摂らないのは結構きつい。仕方がないのでうがいを

   したり、ガムを咬んだりしてしのいだ。

  そして入院当日となった。
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by tramasato | 2011-08-14 20:55

 写真写りがいい?

  友人に頼まれ、地元の新聞に記事を掲載する事になった。

   テーマは「あの時、この歌」といって、自分の思い出の曲とそれ

  に関わるエピソードを紹介するというものである。私は「ガラスの

   部屋」という曲について書いてもらう事にした。

  女性記者の方が来られて、30分程取材して、顔写真も何枚か

   撮っていった。

  2週間後に新聞が出来上がったので読んでみたが、ほぼ取材

   どうりに記事も書かれていて、写真も普通に撮れていると思

  っていた。

   いつも行っている友人の喫茶店に行くと常連が何人かいて

  その新聞を読んでいた。

   常連客は私の写真を見て口々に「写真写りがいいね!」と

  言っている。私には普通に見えるのだが、彼らにはそうは

   見えないらしい。

  「写真写りがいい!」という事は「普段はもっと酷いんだよ!

   」とか「実物は違うんだよ!」と言われているのと同じ事

  なのだ。聞いている方は全く嬉しくはない。

   せめて「感じよく撮れてるね!」、とか「普段どうりだね!」

  ぐらいの表現にしてくれないものか。

   今さら顔に拘る歳でもないけれど、言葉は使い様じゃないか

  なあ?

  
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by tramasato | 2011-08-08 11:08

  酒場にて

       土曜日の夜、喫茶店のマスターの友人と店の常連二人と連れだって

     店の近くのスナックに行った。

      大学の集まりでビールを、喫茶店で焼酎を少しずつ飲んだので軽い酔

     い加減である。常連の女性の一人は4時から飲んでいるのでかなり出来

      上がっていた。

       スナックはカウンター9席、ボックス席1つの小さな店で我々が

     入ると満員だった。店には若い男性のスタッフが二人いて、女性客の

      方が多い。旭川には若いイケメンの男性スタッフを置いて、その

     スタッフを目当てに女性客が集まるという店が結構あって、この店も

      そうらしい。常連の話によると、この店のスタッフはラグビーを

     やっていて「とても逞しいのよ!」という事だったが、腕も筋肉質で

      はないし、体もさほどゴツイという感じではなかった。

     客の女性たちはもうかなり酔っていて、男性スタッフに向って

      「〇〇ちゃん可愛い!」だの「ΔΔちゃんイケメン!」だの思い思い

     の言葉を口走っている。我々の席の後ろでは、酔っ払ってスタッフと

      ぴったりくっついてチークダンスをしている客もいる。

     すっかり場が盛り上がったところで、連れの女性が叫んだ。

      「〇〇ちゃん、男にしてやるぞ!」私は驚いて笑ってしまったが、

     女性といっても40半ばだ。そんな女に「男にしてやるぞ!」と

      言われても、いい若い男にとっては迷惑な話だが、スタッフも慣れ

     たもので、にこにこしながら相手をしている。

     その時、坊主頭をした厳つい顔の若い男が入って来た。

     「何だこいつ、ヤクザっぽい奴だなあ?」と私は思ったが、彼は

      そのままカウンターの端の席に座った。しばらくは大人しく酒を

     飲んでいたが、突然カラオケを歌いたいと言い出した。それも若い男

      のマスターとデュエットしたいというのである。

     二人で歌いだした曲を聴いていると、かの男の声のか弱いこと。

      まるで女の子が歌うような高く細い声なのである。「あれえ?」と

     拍子ぬけした私が見ていると、かの男は若いマスターの顔をじっと見

      つめ、見つめられてるマスターの方は彼から一番遠いカウンターの

     反対の端に立ち、引き気味で歌っている。

      「ははあ!こりゃ〇イか?」と私は思った。

     確かに〇イには強面タイプもいるだろうし、若い男の周りに集まるの

      は、若い女ばかりではない。男が目的の男もいて可笑しくはない。

      「いろんな客がいるもんだなあ!」と私は思った。

     かくして、酔っぱらった女の嬌声と男の嬌声が混じり合い、いろんな

      タイプの人種のルツボと化したスナックの夜は更けていくので

     あった。

      それにしても、酔っ払い相手に仕事をするのも苦労しますね。

      

   

     

      

     

      

      
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by tramasato | 2011-08-04 16:46